3Dプリンタパーツへのインサートナット圧入で微妙に失敗したのを修復した
3Dプリンタパーツへのインサートナット圧入をやってみた
3Dプリンタパーツ(ここではABSやPLAのFDM式を想定)へめねじを切る簡単なやり方として,インサートナットをはんだごてを用いて圧入する方法がある.
適切な径と深さの下穴をモデリングして造形して,あとから入れるだけなので手軽.
今作っているものにめねじを切る必要があった為,ためしてみた.
今回使ったのはこれ↓(M3,長さ4mm).
※下記サイトを参照すると 本来これは熱圧入するものではなさそうだが. コンパクトであるのと,試してみて問題がなかった為これを使った.
発生した失敗
適当なサイズの止まり穴を造形し,圧入した.
実際にやってみるとこんな感じになった.
めねじ部分に樹脂がつまっている.
止まり穴なので,つまりの除去が困難. 千枚通し等で掻き出す方法ではうまくとれなかった.
比較対象としてうまくいったものが以下.
原因として考えられること:
- 下穴の径・深さが適切でなく樹脂が逃げ場を失って上がってきた
- 使用したナットに対してはんだごての先端が長すぎ,溶けた樹脂はんだごてを介してがナットの内側に付着した
(本来下穴や使うはんだごてを試行錯誤したうえで本番パーツを作るべきという話ではあるのだが,) めねじのつまりさえなくせれば使えそうだった為,修復を試みた.
対処
用意するもの:
- アクリサンデー
- 予備のねじ(ねじが汚れるので組立時に使うものとは別に用意した方が良い)
- 綿棒(なければティッシュとか)
- (つまようじ)
やりかた:
- ねじ穴にアクリサンデーを入れる
- アクリサンデーに付属の針でめねじが浸る程度入れる
- あふれてしまった場合は周りが溶けるので早めにふき取る
- とれにくい樹脂の塊はこの段階でつまようじで除去する
- 下の画像では見づらいのだが,この時点で目詰まりがわりと消える
- 予備のねじを入れる
- 止まり穴の内部がやわらかくなっているので,樹脂を押しのける感覚で完成時に入れたい深さまで入れる
- アクリサンデーが溢れてくるので綿棒かティッシュで吸っておく
完成したねじ穴が以下.
アクリサンデーが蒸発するまで放置して完成.
補足
今回のパーツはABS製. たぶんPLAでも可能だが試していない.
アクリサンデーの正しくない使い方なので責任は負えません...
3Dプリンタパーツの接着や修復(線状に割れた,など)にアクリサンデーを使うときれいに仕上がるので,1本持っておくと便利(これが本来の用途).